2013/10/24

Kiteflying Above The Cloud Sea / 雲上での凧揚げ




先日北アルプスの常念岳と蝶ヶ岳の山頂で凧揚げをしました。これまでも山には凧をいつも携帯していたのですが、今回一番気持ちのいい凧揚げができました。上の写真は常念岳山頂での凧揚げの様子です。槍穂を一望にしながらの凧揚げは最高でした。

三股から歩き始めて常念岳まで4時間強。常念の山頂は岩場であまり広くありませんが、山頂下に少しスペースがあったので早速凧を取り出して揚げてみました。


常念岳山頂は20m位上空になると風が巻いててあまりうまく高く揚げられませんでした。


どうでしょうか。バックに槍を配置しての凧揚げ、たまりません。

そして更に3時間弱歩いて蝶ヶ岳。蝶ヶ岳の山頂付近は広いし常に強い風も吹いていて凧揚げに最適です。


雲海を見下ろしながらの凧揚げ。


サイッコーに気持ち良い凧揚げでした。単に登るだけでなく、何か登山に面白いことを組み込みたいなと思って携帯しはじめた凧ですが、持って歩いて大正解です。

ちなみに登山自体の記録は以下のEveryTrailを見てみて下さい。

Mt Jyonen - Mt. Cho / 常念岳蝶ヶ岳周回


EveryTrail - Find the best hikes in California and beyond

2013/09/19

Make My Own Tarp - Ray-Way Tarp / Ray-Wayタープ作成




以前から興味のあったMYOG(Make Your Own Gear)に手を出してみました。MYOGの登竜門的に名高いRay-Wayタープです。初ミシンなので突っ込みどころ満載だと思いますが、非常に楽しかったので紹介します。

* * *

まずRay-Wayタープがどんなものなのかを簡単に紹介しますと、キャンプ地で屋根として使う一般的なタープ(?)とは異なり積極的にフロアレスシェルターとして使っていこうという種類のタープです。テントと同程度の暖かさや保護を得ることができて、かつ設営のバリエーションも幅広く居住スペースも広く取れる、とRay-Wayのサイトでは紹介されています。特徴的なビーク(くちばし)部がただの一枚のタープとは違い目を引きます。

購入はRay-Wayのサイトから可能です。今回僕は以下のものを購入しました。
  • タープキット(Silicone-Silver-Gray): $74.95
  • Thread-Pro(縫い糸): $7.95
  • The Ray-Way Tarp Book Essential(タープの使い方についての本): $22.95
 これに送料が$15.94かかって合計$121.79でした。送料かなり良心的だと思います(自動計算してくれる送料がおかしかったのでやりとりして修正してもらった)。 1週間以内に届きました。タープキットだけなら結構安く作れるのも魅力です。はっきり言ってこのキットの肝は作成マニュアルであり作成する寸法なのですが、自分でOMMなんかでシルナイロン買うのと同じくらいの価格であり、とても良心的かと思います。

さて、買ったからには作るっていうか縫うわけですが、ミシンに触るのは小学校の家庭科以来でかなりビビって放置していました。その間約1ヶ月。ですがある台風の週末にやることがなくて一念発起。やってみたら裁断から縫製まで2日で終わりました。もちろんクオリティは推して知るべしですが。

というわけで製作開始。


キットを開封して作成マニュアルをざっと読みます。全て英語ですが、不得手な方でも辞書を引けば特に問題はないと思います。

まずは裁断からです。マニュアルにある通りの寸法に生地を切って行きます。面倒がらずに切断する箇所で線を引いて裁断。チャコペンだと色が乗らないので家にあったサクラマイネームを使いました。


裁ちばさみでスーッと切っていくイメージでしたが、はさみを滑らすとなんか繊維がほつれるのでチョキチョキと切りました。


という裁断完了。写真はビーク部。1時間かからないくらいだった記憶。


さて裁断が終わるとミシンです。 ミシン自体は妻の実家から借りました。30年くらい前の年代物ですがフットスイッチがあって便利(縫い終わってから便利だったと知った)。

マニュアルに糸調子を合わせろって1ページ割いて書いてあるので、ひたすら調整。ミシンの説明書は既に失われていたのでダイヤルの意味とかわからずにトライアンドエラーを繰り返すもうまくいかず。端布がこんなかんじに。。。


結局ネットでミシンの説明書を見つけて下糸の通し方が間違っていることに気づいて調整完了。ふう。けどこれ結構大事だったとあとで思いました。というかミシンの基本ですか?

さて次に 折り伏せ縫い(Flat-Felled seam)の練習です。折り伏せ縫いって言葉は今ググって知りました。また端布で以下のように練習して把握。


1日目の作業はここまで。本体の縫製は翌日から。というわけでどんどん縫います。


ちなみに後でRayから教えてもらったんですが、こうやって引っ張って縫ってはいけないようです。生地がつれちゃうとのこと。なるほどそれでかー。でも押さえに任せると滑っちゃって縫い目が詰まっちゃって苦肉の策なんだよなー。引っ張らないで支える程度が良いのかな。

というわけでどんどん進めていって、ビーク部の折り伏せ縫い。


 リッジ部の末端の補強用のパッチ。小さい部品は技術が出ますなーヘッタクソ。


 本体につけたところ。いやーよく考えてありますこれ。


大体縫い終わったところ。この頃はかなり縫うのに慣れて進むのが早い。


ループやらリフターのパッチやら色々縫い付ける。丸く縫うのが難しかった。。。

そしてついに完成! 台風の雨風の弱まった隙に我慢できずに張ってみました。


いいねー。つってもこれちょっと場所が狭くてピンと張れてないんですが。

ちなみに重さはガイライン全部合わせてこんなかんじでした。472g。


雨の中シームシール前に張ってみましたが特に水の侵入はありませんでしたが、説明書にしたがってシームシールをしました。コーキング用のシリコンのクリアを買ってきて、ペイント薄め液で4倍とかに溶いて縫い目に筆で塗り塗り。


後から考えると 、筆ではなくてポンプのようなものでもう少し薄く溶いたシリコンを注いでいくような手法のほうがスマートだった気がします。はみ出ましたので。ちなみにシームシール後に重さを量ると499gでした。シリコンだけで27g?塗り過ぎな気がします。

 * * *

というわけでいざ開始してみたら一気に完成してしまったタープ作成でした。すごく楽しかったのでもっと色々作ってみたい。実際の使用感は次の週末にキャンプ場で色々試してみてまた記事にしたいと思います。つづく。

2013/08/05

Fire-Maple FMS-300T Hornet Mini-Stove / 中華ストーブFMS-300T購入記



謎の中華ストーブ、Fire-MapleFMS-300Tを購入しました。ネットで3,000円と送料。Fire-Mapleの名は近年よく見かけるようになりましたが、どうにも胡散臭いのでこれまで手を出さずにいました。しかし45gという軽量かつ超絶コンパクトなその形状(あと価格の安さ)に惹かれて購入。なかなかいいので紹介します。

こんなケースで届きました。そこにはISPOアワードの文字が。てか箱も軽い。


このISPOアワードなんですが、どの程度権威があるものなのかイマイチ良く知りません。ただ2013年にOUTDOORカテゴリで受賞した製品の一覧を見ると錚々たる一面ですねー。SotoのMukaストーブも選ばれてる。ただ謎なんですが、このFMS-300Tが受賞したのはASIAN PRODUCTSっていうカテゴリなんですねー。なんでも"from companies with headquarters in a country on the Asian continent(本社がアジア大陸国内にある企業)"が対象って書いてありますが、富士ストーブは日本列島だから別枠なのかな?良くわかりません。なんとなく後進国向けのカテゴリのような感じはしますね。

さておき開封してみます。おお、小さい。これはいい。特にバリなんかも目立たないし期待以上の製品。


小さいスタッフサックが付属してますが写真撮り忘れた。

早速OD缶に装着してみます。五徳のヒンジにもガタは無いです。


さすがに五徳は小さめ。

点火してみます。



これ最大火力なんですが、良くわかりませんね。炎ってどう撮影すんの?

後ろを黒くしてみた。


うーん?

暗い中だとこんな感じ。


風にはとても弱そう。風防必須かも。

とろ火。全くわかりませんw



コッヘル乗せてみる。手持ちのコッヘルのヒートエクスチェンジャーの内側に五徳がすっぽり。


思った以上に火力あります。メーカー発表値2800W。


何の参考にもなりませんが、500mlのお湯を沸かすのに2分弱。気温30度前後。元の水温不明。全く参考になりません。

折りたたんだ時のこの感じが確かにホーネットっぽいなーとは思いました。


ちょっと試してみただけですが、かなり気に入りました。思った以上にちゃんとした製品で感激したくらいです。良さげな感じなので外でしばらく使ってみようと思います。使用中に爆発したりなんかしたらまた紹介します。

2013/07/03

Expansion of My Climbing Wall / プライベートウォール拡張



クライミングウォールを拡張したのでその話を。つっても既存の薄かぶりのウォールの裏面にスラブを追加しただけなんですが。ちびっこ達がウォール裏に補強用に取り付けてある角材の上に登って遊ぶもんで、ああスラブって遊びやすいんだなと思い作成しました。12mmのコンパネ2枚と垂木用の角材を買って、その他は余ってるペンキと爪ナット(友人にもらいました)なんかで計3,000円くらいで出来たかな。

まずは買ってきたコンパネを裏側の幅に合わせて丸鋸で切ります。真っ直ぐ切れる自信がないので以前作った治具を使用。


こんな感じに2枚取りました。


ウォール裏への固定方法ですが、既存の補強材に引っ掛ける形にします。かつビスなどで固定してしまうと爪ナットが落ちた時など裏側へのアクセスが困難になるので、取り外し可能な形にすることにしました。

てなわけで買ってきた垂木材をこんなふうにコンパネの上端に固定しました。


んで既存の補強にヒョイッと乗せます。こんな感じ。


補強は何箇所も横に走っているので、上端と中央部に垂木材を取り付けて引っ掛けられるようにしました。

さて、ホールド用の穴開けです。今回は以前工具棚を作成した時に余った有孔ボードがちょうどいいテンプレートになるな、って事でそれを使って穴の位置を決めました。らくちん。


印をつけたところに12mmのドリルで穴あけしてこんな感じ。ウォールっぽい。


この縁ギリギリの穴はあまり使い物にならない気もしますが。。。


ジャーン。いかがでしょう。よく見るウォールですね。


では仮組みをしてみます。こんな感じ。


ちょっと足元が高いような。。。

さて、引っ掛けるだけじゃ取れちゃうので、固定方法も考えました。裏か見るとこんな感じでM10のボルトが出てますが、


表のウォール側から見るとこんな感じ。ここでも爪ナットに活躍してもらいました。


1枚あたりボルト3本、2枚で計6本のボルトで固定することにしました。表から見ると爪ナットがあるのが謎ですが、ホールドのない場所を選んでこれでいいかなと。

お約束の塗装です。キシラデコール使用。


二度塗りまでしました。

足元が高いなってことで、足元用の板も作成して塗装。


最初裏側は面倒がって塗らなかったんですが、一度雨が降ったらカビが浮いてきたのでやっぱり塗ることに。


塗装後の足板は既存の補強にコーススレッドで直打ちしました。この幅なら手が入るので着脱機構は不要と判断。


完成したのはこんな感じ。うむ。

  
ちなみにUボルトの数は増やしていないので、裏側に単純に重量物が増えててもしかするとズレてきちゃうかもしれません。その場合はUボルトを1つ追加すればいいかななどと安易に考えていますが、まだ問題は起きていないのでまあいいか。

大人にしてみると高さが2m無いので物足りませんが、子供たちは結構楽しそうに遊んでいるので作ってよかったようです。マットが無いのでいずれ用意しようかな。裏側から表側までトラバースする課題とかできて結構面白いです。場所を広げずに拡張できたので結構満足しています。おしまい。

2013/06/21

Asakawa Underground Plant / 浅川地下壕見学




もう1ヶ月ほど経ちますが、地元高尾にある浅川地下壕の見学に行って来ました。

浅川地下壕の事を知ったのは、8年ほど前に高尾に越してきた時に地域のことを知ろうと思ってたまたま以下の本を手に取ったのがきっかけでした。

地下秘密工場―第1軍需工廠・第11製造廠・中島飛行機浅川工場
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この地下壕については浅川地下壕の保存をすすめる会のWebサイトに詳しいです。以下引用。

浅川地下壕とは、アジア・太平洋戦争末期、
陸軍の計画によって掘られた、
全長10キロメートルにもおよぶ大地下壕である。
当初は「倉庫」という名目で工事が始まったが、
一時中断の後、今度は、
軍用飛行機のエンジンをつくる工場を
移転させる目的で工事が進められた。
実際に一部は工場として使用され、
10機ほどの工ンジンが完成されたといわれている。
1944年9月に工事が始まり、
45年8月の敗戦の時まで掘削工事はつづけられた。
戦後、機械などは全て運び出されたが、
地下壕そのものは当時の様子をそのまま現在に残している。

知って以来興味を持ち続けていて、年に一度近所の市民センターに見学会の張り紙が貼られる際には申し込みもしましたが、いつも満員で参加ができずにいました。ですが、たまたま検索して見つけた上記浅川地下壕の保存をすすめる会のサイトをみてみると、月に一度見学会を実施しているではないか。早速5月の会に参加を申し込みました。ちなみに参加費は400円で、懐中電灯と長靴と軍手の装備が推奨されています。僕はヘッドランプで参加しました。詳しくは会のサイトを参照して下さい。

当日高尾駅の南口で以下の旗を目印に待ち合わせをし、地下壕に向かいました。当日参加者25人前後。若者からお年寄りまで。会の案内担当の方は1人でした。


地下壕へ行く途中にみころも霊堂のある公園に立ち寄り、地下壕の概要の説明を受けました。その後10分ほど歩いて地下壕の入り口です。ヘルメットは会から貸していただけます。

地下壕の入り口はフツーの民家の裏にありました。民家の玄関の脇を抜けると入り口が口を開けています。


通常は施錠をされていますが、見学の日には開放されているようです。ちなみに見学が月に一度なのは内部に設置された東大の研究室の地震計が振動を検知してしまう為、見学当日のみ地震計を停止するなどの処理をするためだということです。

中はこんな感じです。掘削した素地がそのまま出ています。


中は当然真っ暗。入口近くには近所の人が置いているような雑多なものが沢山置いてあります。


ものすごく涼しいです。


ちなみにこの日見学をしたのは以下の地図のイ地区です。


下部に2本の足がありますが、この左下の部分から入りました。右側の足に当たる通路を途中まで歩きましたが、そこには鉄格子が設置され(写真撮りそびれました)そのこから先には行けませんでした。なんでもオウムの事件の頃にこの地下壕に毒ガスがあるという疑いがかかり警察の捜査が行われたそうで、その際に誰もが入れる状態になっていたことを危ぶみ設置されたそうです。

広い箇所はこのようになっていて、往時はトラックも通行していたそうです。ちなみに戦後はマッシュルームの栽培も行われていたとのこと。


ちなみにこれが東大の地震計。思ったよりあっさりした作りでした。巨大なジャイロのようなものを想像していた。。。


当時の掘削の様子を知ることの出来る箇所がありました。中央部に見える穴は発破用に穿たれた穴の残りだそうです。


この穴にダイナマイトを差し込んで岩盤を掘削したようです。以前吉村昭の高熱隧道を読んだので掘削作業はよく想像出来ました。


当時トロッコも設置されていたようで、以下のように枕木の名残が確認できました。


一部箇所は以下のように補強がされています。


この近辺でテレビ番組の収録が行われた際に偶然3トンものダイナマイトが発見され、その撤去時に崩落を防ぐ目的で作られた補強のようです。ちなみに奥に見えるのは地下壕の入り口です。


たまたま某芸能人が発見したとのことですが、相当驚いただろうな。。。さすがにテレビの収録ということで超強力な照明が使われていて、普段見落とされていたダイナマイトが発見されたということです。

その付近はこのように素地から吹き付けが行われ補強された箇所もありました。


たっぷり30分以上歩いたでしょうか。地上に出ました。外は明るい。そして風が暖かい。


ちなみに3枚前の写真に写っていたのはこの入口です。現在はこのようにカモフラージュされています。


当然鉄格子があるので自由に出入りはできません。

ちなみに入り口の近くには以下の東大の地震計の分電盤がありました。


このような感じで見学は終了しました。現地解散。

都内に残る貴重な戦争遺構である浅川地下壕を見学できたのは非常に有益な体験でした。数年越しの念願でしたしね。浅川地下壕にまつわる数々のエピソードはここでは紹介しきれませんが、大本営の移転候補であったなど話題には事欠かず、興味のある方は色々調べてみると面白いと思います。そこには朝鮮人を使役して掘削したと言われるような負の側面もありますが、ここではその是非については論じません。個人的には戦争という極限状態における人々の行いには興味が尽きません。

興味を持った方は是非浅川地下壕の保存をすすめる会のサイトから見学会に申し込んでみることをオススメします。とくに戦争遺構に興味が無くとも、手軽に出来るケイビング体験としてもオススメ出来る気もします。

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